かおるの梅
梅干っていいぞ!!

梅干しは、クエン酸などを多く含むため疲労回復とカルシウム吸収促進効果の期待できる優れた食品

食欲をすすめる、食欲は健康のバロメーター

食事がすすまない 原因は体にまた心にさまざまな理由があります。
夏ばてなどは一つの例でしょう。
「暑い」というストレスに負けて、食欲不振をおこし、質的にも量的にも貧弱な食事を続けたために 、秋口にドッと疲れが出た状態が夏ばてです。
梅干を一口食べただけでも、また時には梅干のことを考えた だけでもつばがでます。
これは梅の酸味が舌にふれることによって 体の中の消化器官に刺激が伝わり、 消化液が活発に分泌され始めることによります。
唾液は強力な消化液ですが、 同時に 胃酸も分泌されて、食物が胃に到達するのを待機しているのです。
このような状態でタイミングよく食事ができれば良いのですが、食欲のない状態、つまり消化液が分泌されていない状態でムリに摂ることになれば、当然消化不良を起こすことになります。
そして梅の貴重な成分の 一つクエン酸の働き=「新陳代謝」の促進は、さらに梅の効果を拡大することでしょう。
梅干や梅に関することわざや言い伝えが沢山あります。
「梅干で朝茶をいただく」という日本人のしきたりには、大きな意味があります。
朝という空腹時に、クエン酸を胃や小腸に送りこむことによって殺菌、厳禁作用を効果的にし、梅に微量あるピルビン酸は内臓の諸器官に活を入れるというはたらきをもっています。
病人の食事といえば「おかゆに梅干」です。
梅の酸味が体内の消化器官を刺激し、消化液の分泌を促し、食欲もわく、このプロセスこそが食事の大前提にあります。
梅干だけでなく、梅酢、梅肉エキス、梅酒なども同じような効能をもつ食品といえましょう。
梅干や梅に関することわざや言い伝えはこのように沢山ありますが、それはみな生活体験から得た知恵であったのです。
小さな梅干ですが私達の健康に欠かせない貴重な存在です。梅干は古くて新しい食品ともいえます。


疲労を回復する

私達の「疲れ」は、乳酸という疲労素の発生や増加によるものです。
この乳酸を作り出さないようにすることや増加させないことが疲れないことであり、疲労回復の手段を考えることになります。
乳酸は疲労や病気の原因になります肩や首の筋のこり、身のだるさなどの症状は、乳酸が筋肉内のたんぱく質と結びついて乳酸たんぱく質となって筋肉が硬下した状態だともいわれています。
血液中に乳酸がたまると細胞の老化につながり、動脈硬貨、高血圧、肝臓病、腎臓病、神経痛などの遠因になるといわれています。
焦性ブドウ酸は乳酸になりやすく、乳酸を作り出さないようにクレーブス・サイクルをスムーズに回転させる促進役がクエン酸つまり梅干です。
クエン酸には、乳酸を水と炭酸ガスに分解して体の外に追い出す働きがあります。
又新しい乳酸の生成も抑制します。
梅干が、オールイテイのイメージをもって古くから愛されてきたことには、このような科学的根拠があるのです。

酔いを解消する

お酒を沢山飲みすぎた時に、梅干入りの番茶をたっぷりのむと良いと言われています。
さて、「酒酔い」とは、アルコール独特の麻酔作用によるものです。アルコールはそのままの形で胃や腸から吸収され体内に入ります。
胃腸粘膜を通過し、粘膜細胞に入り次に血液に入っていきます。
血中のアルコールは門脈とよばれる大きな静脈に集まり、事実そのとおりになります。
アルコールの代謝は、アルコールがアセトラルデヒドや酢酸に変化することで、酸化反応の一つです。体内におけるアルコールの代謝は、主として肝臓で行われ、代謝の約80%が肝臓によるものと推定されています。
アルコール代謝分解のサイクルは、まずアルコールがアセトラルゼヒドとなり、さらにそれが酸化されて酢酸となります生成された酢酸は体中に運ばれ、T・C・Aサイクルの中に組こまれ、最終的に二酸化炭素と水に分解されます。
このアルコール代謝の仕組みがおわかりいただけると自然にお酒の肴のことが理解されることと思います。
また、梅には肝臓の機能を高める成分、ピクリン酸が、微量ながら含まれていることを研究の結果発見なさったと高名な川島四郎先生からう伺ったことがあります。
クエン酸サイクルだけでなく梅の持つ貴重な働きの一つです。


強い酸味の主体はクエン酸とリンゴ酸です。クエン酸は胃腸の働きを促進し、食欲をすすめ、タンパク質の消化を良くします。
これらの酸は強いので、生食はしませんが、梅干しなどに加工し、悪玉腸内細菌の抑制、整腸作用などに活用されています。
また、クエン酸はTCAサイクルを円滑にして疲労回復や老化防止に役立つほか、血液中に乳酸がたまらないようにして、肩こりや腰痛をはじめとする、筋肉疲労や痛みの予防に働きます。
そして、クエン酸には、カルシウムと結合して骨を強化する効用や、鉄の吸収を促進しながら血行をよくする働きも期待できます。

カルシウムの吸収を促す

日本人の食事の内容はほぼ理想に近いものとして評価されていますが、それでも依然として不足に悩んでいるのがカルシウムです。
火山列島の日本の土はカルシウムの含有量が少なく、そのために水や農作物にカルシウムの含有量が少ないとも云われています。
いっぽう、砂糖の消費、肉や卵などの過剰摂取もみられます。特に白砂糖がエネルギーに代わるときにはシュウ酸ができ、さらにカルシウムと結びついてからだの外へ出てしまいます。
つまりカルシウムの収支のバランスのくずれがおこりやすい状態になっています。
カルシウムは吸収されにくい食品でもありますが、効率腸壁から吸収させて骨や歯をつくるカルシウムに変わるように援助しているのが梅に含まれるクエン酸なのです。
カルシウムを多く含む、小魚類、乳製品と梅干の組み合わせえを日常の生活の中でも是非活用したいものです。
梅チーズ、じゃこの梅干煮など、ステキな組み合わせです。あじ、さんま、いわしなどを煮る時、梅干を入れてにることも積極的にとり入れていきたいものです。

腸の働きをととのえる

便秘には、梅肉エキスを小さなスプーンで半分量ぐらいを冷水に溶かして、朝、起き抜けにのむと効果があります。
下痢には、お湯で薄めて、1日3回ぐらい飲むと良い、と経験でしっています。
梅には、下痢と便秘、一見反対に見える症状を治すはたらきがあるといわれています。
梅には、胃や腸の働きを助けるという独特の作用があるようです。
これは梅の中にあるピルビン酸が腸の働きを活発にして、下痢や便秘の解消に一役買っているからなのです。
そして薬のように、習慣性や副作用の心配もないことも、ありがたいことです。
その人の生活にあった、梅干や梅酒、梅肉エキスの利用を考えてみたいものです。

梅の厳禁作用、抗菌作用

今でこそ、疫痢、赤痢、腸チフスという病気は影をひそめてしまいましたが、昔は急性の非常に恐ろしい病気として子供心にも焼き付いていました。
予防法として食事の前にはよく手を洗うことと、毎朝梅干を一つずつ食べるようにしつけられていました。
健康な胃なら、強力な胃液の中の塩酸がバイ菌を殺すことは可能ですが、胃のはたらきが弱っている夏などは発病という結果になってしまいます。
それを防ぐのが、梅の持つ有機酸のはたらきです。
これらの細菌は酸に対しては弱いので、朝の空腹のときに梅干を食べることは大変有効なことなのです。
特に梅肉エキスは、梅の有効成分を濃縮したもので、同量の梅干の30倍の効果、10倍の殺菌力があるといわれています。

「健康食梅」著者 中川紀子
発行所 社団法人 農山漁村文化協会

和歌山県立医大が研究
梅肉に、胃や十二指腸かいようの原因とされ、胃がんとの関連も指摘されるヘリコパクター・ピロリ菌の増殖を抑制する効果があることが、
和歌山県立医大の宇都宮洋才講師らのグループの研究で分かった。
12日、同県南都川村で開かれる研究講演会で発表する。宇都宮講師らは、ピロリ菌を培養した試験間内に、梅肉エキスの希釈液を加え、
24時間後のピロリ菌の増殖数を比較。その結果、濃度1%の梅肉エキスを加えた場合、何にも加えてない場合の約50分の1に抑制できた。
濃度を高めると、さらに抑制効果は高まった。日本人のほぼ半数が感染しているとされるピロリ菌の増殖には、ココアや乳酸菌などの食品に
抑制効果があることが最近注目されている。
宇都宮講師は、「梅は体に良い」ことを実証したい」と記している。またピロリ菌への感受性が高い特殊なネズミ、スナネズミを使った実験でも、
梅を食べさせると艦船が抑制できることが確認できたという。
グループは、梅のどの成分が効果を発揮しているのか、今後研究を進める。


(2002年2月11日付 日本経済新聞記事)

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